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2024/02/13

縁(えん)ちゃんのひとり言 ~縁(えん)ちゃんのひとり言~能登半島地震から1ヶ月とマエストロ小澤征爾さんのご逝去~2024.2月号

お便り

皆さん、こんにちは『縁ちゃん』ことメテックス建築事務所 遠藤です。

能登半島地震から1ヶ月経ちましたが、NHKの発表によると2/9現在、石川県の死者は241人、安否不明者11人、避難者は520箇所で合わせて1万3463人、住宅被害は6万225棟、約3万4000戸で断水が続き、約1500戸で未だ停電が続いているとありました。暖冬とはいえ大雪の降る極寒の地域でまだこんなにたくさんの方々が困っているんだなぁと再確認を致しました。

2/8時点で石川県のボランティアの事前登録は約2万3000人に上り、内8割が県外の方らしいのですが、断水の為にトイレが使えず宿泊するのが難しいらしく、被災した各自治体の1日当たりの受け入れは数十人程度と新聞にありました。まだまだ我々に出来る事はたくさんあると思いますが、やはり現地の事情を一番に考え、冷静な対応が必要だと思いました。それにしても「人を助けたい、人に喜ばれたい、人のお役に立ちたい」と思えるボランティアの登録が2万人を超えているなんて、日本って国もまだまだ捨てたもんじゃないですね。

1/5にポリタンクを持って富山県氷見市に行かせて頂きましたが、1/21に断水が全戸で解消したとニュースで見ました。当時、約9000戸が断水をしていたのですが、早期の解消にホッと致しました。実はたまたま見たニュースに映っていたポリタンクが、私が届けさせて頂いた3種類と全く同じだったので「もしかして私が届けたものかも・・・」と思ってしまいました。非力ですがお役に立てたようで良かったです。実は3日程前に氷見市の市長からもお礼のお手紙が届き少し恐縮してしまいましたが、従業員にも見てもらい喜んで頂けました。

1/5の帰りに寒ブリの煮付けを頂いた「鮨よし」さんにはタッパーを返却する箱の中に、今が旬のいちご「紅ほっぺ」と静岡茶を同封させて頂きました。すぐにTEL頂き、出会うきっかけは災害でしたが何か凄く気持ちのいいやり取りをさせて頂きました。人の気持ちに気持ちで恩返しするみたいな、美学のような体験がまた次のステップの出会いに繋(つな)がるのかなぁとも思いました。今回の体験が私自身の生き方や、ものの考え方の貴重なスパイスになったような、そんな感じが致しました。

改めまして、近年各所で起こった自然災害で被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。

本当は違った話題をテーマにしようかと思っていたのですが、2/6に私が尊敬してやまない世界的に有名なマエストロ(名指揮者)小澤征爾(せいじ)さんがご逝去(せいきょ)されましたので少し触れさせて頂きます。以前にもこのコラムで書いた事がありますが、私は高校時代にオーケストラ(管弦楽)部で指揮者を経験させて頂きました。管弦楽は吹奏楽(ブラスバンド)と違い、簡単にいうとバイオリンやチェロのような弦楽器が主になりますので楽器の特性も複雑で、指揮も非常に難しくなります。指揮者 小澤征爾といったら憧れ中の憧れで、何回も何回も指揮の真似をして練習をしました。野球でいえば素振りみたいなものですが、本当に練習しました。

クラッシック音楽は、同じ譜面なのに指揮者の解釈によって全然違う作品になります。有名なところでは、カラヤン、バーンスタイン、小澤征爾が、例えばベートーベン作曲の『運命』を演奏すると皆さんご存知の冒頭部の「♪ジャジャジャジャーン、ジャジャジャジャーン♪」が三人とも違うんです。それがクラッシックの醍醐味なんですが・・・。

音楽をやられた経験のある方なら分かると思うのですが、譜面には音楽用語がたくさん書いてあります。例えば「Allegro(アレグロ)」は「速く」という意味です。自動車で速く走ってくれと言われたら皆さんは何キロで走りますか?50km、80km、100kmと人によって違います、その解釈なんです。例えば「rit.(リタルダンド)」は「だんだん遅く」という意味なんですが、もうお分かりかと思いますが、その曖昧(あいまい)な表現を各指揮者が自分なりに解釈する訳です。だから人によって音楽が変わります。私は小澤征爾さんの作品では、ホルスト作曲『組曲 惑星』の中の「木星」が特に好きでした。歌手の平原綾香さんが歌った「ジュピター」というのは木星の中のバラードの部分なので知っている方も多いとは思いますが・・・。凄くかっこいいクラッシックです(^^;

小澤さんは、音楽の世界では「桐の桐朋(とうほう)」といわれる桐朋学園大学で指揮者の斎藤秀雄先生に学びます。非常に厳しく荒っぽい性格の先生に厳しく指導を受けたそうですが、この時に音楽の基本を徹底的に叩き込まれたそうです。楽器を使わずに手のみで音楽を伝える技術は斎藤先生のこだわりでもあり教えだったそうで、小澤征爾という指揮者が必ずしもタクトを持って指揮を振らなかったのはその為だといわれています。音符の一つ一つから作曲家の意図を読み、譜面に書かれていない事を表現をしていく。その為に指揮者が見る総譜(全部の楽器の譜面が記されているもの)をスコアといいますが、スコアは穴が開くほど熱心に読み込んだといいます。

師匠である斎藤先生の意志は後に長野県松本市を「音楽のまち」として有名にした音楽祭『サイトウ・キネン・フェスティバル松本』後(のち)に『セイジ・オザワ松本フェスティバル』の開催、そしてその音楽祭のメインイベントである斎藤先生の門下生を集めた『サイトウ・キネン・オーケストラ』の結成をした事で今でも受け継がれています。小澤さんはこのイベントを長きに渡って開催しただけでなく、これを通して世界に通じる次世代の子供達への指導もしてきました。これが素晴らしいんです!よく楽団員が小澤先生が指揮台に立ってタクトを振ると音楽が変わる、魔法のようだと聞いた事があります。

以前TV番組で練習の風景を観た事がありますが、その日はたまたま小澤さんのお誕生日9/1でいつものように「じゃあ頭から行ってみましょう」と合奏が始まると楽団員のサプライズでチャイコフスキーが突然「ハッピーバースデー」に変わり粋なお祝いをしたのを思い出します。75歳の誕生日だったと思います。その時に椅子に座り足をバタバタさせていた小澤さんの可愛らしい姿は何ともいえなかったですね・・・。

大学を卒業後に、小澤さんは「日本人のあなたに西洋音楽を理解出来るのか」という偏見を持たれながら世界に飛び出していったいわばパイオニアなんです。そもそもクラッシック音楽はヨーロッパで17~19世紀に発展したといわれていますが、日本はちょうど江戸時代の鎖国をしていた時代になります。その為に日本人は世界でクラッシックでは通用しないというのが共通の意識にありました

23歳でフランスに渡りますが、現地で行われた指揮者コンクールで優勝し、その後に世界的な指揮者のカラヤンに師事しました。小澤さんが一番有名だったのはやはりアメリカ ボストン交響楽団での約30年もの間の常任指揮者、音楽監督での活躍だと思います。そのキャリアの後に世界屈指の歌劇場として知られるオーストリアのウィーン国立歌劇場でも音楽監督を務めるなどその活躍によって『世界のオザワ』と評される事になります。

今回の訃報を受けてボストン交響楽団は、小澤さんがよく告別の時に指揮をしたバッハの名曲「G線上のアリア」を鎮魂歌として演奏し追悼して頂いたそうです。同じ日本人として鼻が高いですし嬉しいですよね。

一度も生演奏を観た事がなかったので、今となっては一度観に行ってみたかったなと後悔ばかりが残ります。戦後の日本でクラッシック音楽界における大きな功績を残した大切で憧れのマエストロに対し謹んでお悔やみ申し上げます。ありがとうございました。

今月はここまでです。寒い日が続きます、皆さんお身体ご自愛下さい。 最後にお得な情報をひとつ・・・東京に出張するとよく買ってくるアップルパイがあります。ファウンドリーというお店ですが、これがなかなか美味しいんです。『ファウンドリーのアップルパイ』を5名の方にプレゼント致します、ふるってご応募下さい。事務所へ直接お電話かホームページのお問合せフォームに住所、氏名、TEL番号、メールアドレスを記載し『ファウンドリーのアップルパイ』希望と記載してお申し込み下さい。ご応募の締め切りは、毎月25日です。電話054-288-0033 

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