縁ちゃんコラム

enchan's column

2023/06/12

縁(えん)ちゃんのひとり言 ~建築士の定期講習と今後の省エネ住宅について~2023.6月号

皆さん、こんにちは『縁ちゃん』ことメテックス建築事務所 遠藤です。

先日の6/2の台風2号ではまた各地に大きな被害が出てしまいました。以前にも申しましたが、「線状降水帯」は九州地方の専売特許のように勝手に思っておりましたが、昨年9月の台風15号の被害にもあったように静岡県は線状降水帯が発生する雨の多い県のようになってしまいました。知人が和歌山県にいますが、今回も和歌山県海南市の被害を見て「なんか静岡と和歌山は水害の起きやすい県になってしまったね・・・(;一_一)」と話しました。

今年は桜の開花も凄く早かったですし、こういった自然現象はやはり昨今の地球温暖化の影響でしょうか?次の世代に向けてちゃんと考えなければならない時期に来ているのかもしれませんね。

あらためて近年各所で起こった自然災害で被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。

地球温暖化といえば日本は先般のパリ協定に基づく国際公約から2050年までに温暖化の原因といわれている二酸化炭素やメタンなどの「温室効果ガス」とよばれるものを実質0(ゼロ)にする目標を掲げています。取り急ぎ、2013年度比で2030年度までに国全体で46%の削減を目標にしています。46%の内訳には「家庭」内では51%減の目標にするとうたわれています

この先、難しいお話をするつもりは全くないのですが、実は先日建築士の「定期講習」を受講してまいりました。建築士は全員そうなのかというと違いまして、建築士事務所(俗に言いう「設計事務所の事」)に所属する建築士は3年に一度定期講習を受講しなければならないと決まっています。建築士事務所に所属していない建築士は受講義務はありません。

せっかくなので今回は生業(なりわい)の建築関係の仕事のお話をちょっとさせて頂きたいと思います。

うちの会社の業務には大きく分けて3つあります。

俗に「工務店」と呼ばれる建物を建設する『建設業』
不動産の取引をさせて頂く『宅地建物取引業(宅建業)』
俗に「設計事務所」と呼ばれる『建築士事務所』

です。うちには建築士が4名おります。一級が1名、二級が3名おりますが会社の中で建築士事務所の事業部に登録している建築士は実は2名だけなんです。私ともう一人です。だから今回の定期講習は2名だけが義務付けになります。

あとの2名は工務店の事業部に所属しております。

お話を戻しまして、建築士事務所に関する定期講習では法律の改定や士業としての品格や責任、職業倫理等も学びます。過去に耐震偽装の問題がありましたが、その時の時勢に沿った形でテキストの内容も変わっているようです。

で、昨今の話題は「温室効果ガス」削減目標における住宅の省エネルギー性能の内容やそれに伴う省エネ基準適合義務の対象拡大の対応についてでした。

一般の方からすると「そんなのは専門家が計算すれば済むんじゃないのぉ~?」と対岸の火事のように思うかも知れませんが、今回のパリ協定の目標は、たぶん無理だろうという半端ない数字になっています。しかし日本も国際公約をしてしまった以上やらないわけにもいかず、我々建築士事務所の所にもかなり負担増な無茶をいってきています。

私はたまたま家に関していろいろな計算をできる立場にありますから実感が湧いておりますが、まずは家を建てる時の建設コストが物凄くあがってしまうという事です。うちの会社のメインのお客様はほとんどが「子育て世代」の方々です。ウクライナの戦争からいろいろな材料費が値上がっているのはご存知かと思いますが、いまうちもご年収400万円前後のお客様方に土地・建物のご計画で、ギリギリでも夢の実現のお手伝いをさせて頂いております。しかし省エネ性能を義務付けされたらたぶんそのご年収では土地・建物を新築でご計画する事は難しくなってくると思います。うちはローコスト住宅という安価な家を提供させて頂いておりますがかなり難しくなると思います。既存住宅の建替えや親御さんからの援助等でもあれば話は別ですが・・・。

省エネ住宅になる事は一見良さそうに思いますが、現代の家は、この先義務付けになるような数字を求めなくても私は充分に省エネ住宅だと思っております。エアコンの効きも凄くいいと思います。簡単にいえば義務付けになると適合させる為にコストをアップして省エネ対応しないと建築許可は出ないという事なんです。義務付けの前なら適合させなくても建設可能という事ですから、安く家を建てたい方はなるべく早く計画をした方がいいと思います。ウクライナの戦争の影響で、大手ローコスト住宅メーカーも軒並み価格が上がりました。うちも同様に上がりましたが、たぶん200~300万円はアップしていると思います。それにまだプラスで上がるという事になります。

先日もお客様に断熱性能や耐震性能について聞かれました。いろんなハウスメーカーのコマーシャル等で「それでないと駄目ではないか」と少し不安になられているようでした。私は「うちは小さい工務店ですが、設計事務所としてその断熱や耐震、換気等他の数値を計算する業務もやっています。ご依頼があれば他所の工務店さんの計算もさせて頂くんですよ・・・。」と答えました。

お国の命令ですから背(そむ)く事はしません。国際協調の大切さも理解できます。でも今回の施策は経済と環境の両立を図る姿勢も問われている訳ですから、経済の指標でもある住宅着工数が激減するような施策は如何なモノかなとも思いました(笑)

定期講習は眠くなっちゃうし、一日がかりで時間もお金もかかるしと思いますが、未だに建築士に合格した時の感動を思い出します。建築士は二級しか持っておりませんが、人の財産を扱わさせて頂く、本当に尊い資格だと思っております。これからもこの世界に貢献出来るよう頑張りたいと思います、宜しくお願い致します。

結びに、今年はいろんな企業や団体が周年を迎えていますね。素人がたった15人で始めたセブンイレブンが50周年Jリーグが30周年東京ディズニーリゾートが40周年で各々いろいろCMをやっています。JALは40周年記念をペイントしたコラボ飛行機を飛ばしているそうです。便はランダムで決まっていないので乗れたらめちゃくちゃラッキーといっていました。機内のヘッドレストもディズニー仕様らしいのですが、お持ち帰りOKだそうです。ファンにはたまらないですね(^^)/

そして私の大好きなユーミンこと松任谷由実さんが昨年デビュー50周年で、今年50周年を記念した全国アリーナツアーがスタートしました。ラッキーにもチケットが手に入ったので凄く楽しみです。

同封の見学会のチラシはこの度完成した新商品『サンディエゴの風~La Jolla(ラ・ホヤ)』の案内です。カリフォルニアの西海岸をイメージしたなかなかカッコイイ作品に仕上がりました。お時間ある方は是非見学会にご来場下さい。

今月はここまでです。これから暑くなりますね、お身体ご自愛下さいませ。

最後にお得な情報をひとつ・・・本文にも書きました、松任谷由実さんが以前TVでおすすめのスイーツとして番組内でご紹介していた南青山の洋菓子店FRANCAIS(フランセ)『果実を楽しむミルフィーユ』を5名の方にプレゼント致します、ふるってご応募下さい。事務所へ直接お電話かホームページのお問合せフォームに住所、氏名、TEL番号、メールアドレスを記載し『果実を楽しむミルフィーユ』希望と記載してお申し込み下さい。ご応募の締め切りは、毎月25日です。電話054-288-0033 

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