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2022/09/12

縁(えん)ちゃんのひとり言 ~経営の神様 稲盛和夫さんのご逝去とJAL再建の功績について~ 2022.9月号

お便り

皆さん、こんにちは『縁ちゃん』ことメテックス建築事務所 遠藤です。 近年各所で起こった自然災害で被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。

先日、また一人日本が誇る著名人がお亡くなりになりました。京セラやKDDIの創業者である『稲盛和夫』さんです。8/24にご逝去、90歳、老衰だったそうです。
稲盛さんは京セラやKDDIの成功はもちろんですが『盛和塾』といって稲盛さんの経営哲学を伝えるために全世界に15,000人もの塾生の育成もされていました。私は盛和塾にはご縁がありませんでしたが、実は弊社の事務所には稲盛さんの言葉を掲げてございます。『謙虚にして驕(おご)らず、さらに努力を』という言葉です。
私にとって稲盛さんの強烈な印象は何と言っても日本航空(JAL)の再建でした。この言葉もその再建時の言葉で、私も大事に教訓にさせて頂いております。
JALは2010年1月に2兆3,200億円という戦後最大といわれる負債額で経営破綻をしました。もうその前から「いつ潰れてもおかしくない」とはいわれていましたが、どこかであのJALだから大丈夫では・・・という意味なく楽観視する人がいたのも事実でした。
私のプライベートな事ですが、ちょうど破綻の2年前頃からJALに勤務する友人と会って食事をしたり、ドライブに出掛けたりとよく遊んでいました。そんな縁もあってJALの経営に関する本を読んだり新聞の関連記事のスクラップをしていました。JALはその時すでに4つの銀行の傘下にあり、その全ての銀行の許可が無ければ何も出来ない状況でした。あの社員50,000人ともいわれた巨大企業の自転車操業の実態にはどう考えても持たないのではと思っておりました。友人には「お前が勤めている会社をこんな言い方をして申し訳ないと思うけど、いつ潰れてもおかしくない状況だよ・・・」と言って少し人間関係がギクシャクしたのを覚えています。その1年後に経営破綻、事実上の倒産をしてしまいました。JALは元々好きな航空会社でしたし、その当時の友人の縁もありましたので強烈に印象に残っています。
当時は民主党政権でしたが、政府からの要請を受けて稲盛さんが再建に乗り出します。元々反骨精神の強い稲盛さんは、NTTの独占では競争原理が働かず国民に利益が無いと第二電電(現KDDI)を作ったような人ですから、ちょっとプライドの高い、お客様本位でない、上から目線の・・・みたいなJALは本当のところは大嫌いだったそうです(笑)
しかも報酬は無給。何故みんなが逃げ出すようなそんな役を買って出たのか?全ては日本経済への影響、雇用の確保、国民の利益(競争原理)だったそうです。
最終的に16,000人のリストラをしましたが、残りの従業員の雇用は確保しました。そればかりではなく何と約2年8ヶ月という異例のスピードで東証一部に再上場を果たしました。民主党政権下ではあまりいい事が無い感じでしたが、民主党政権の数少ない素晴らしい功績ではないでしょうか(^^;
稲盛イズムを徹底的に叩き込まれた現JAL会長の植木さん(元社長)も言っていましたが「破綻前のJALの常識と今のJALの常識は180°変わった、血の通った会社になった」と。半官半民といって親方日の丸(親方が国家という意味)の体質だった当時のJALの理屈は、黒字になって儲かれば国土交通省は「運賃を下げろ」という。当時、無駄に8つもあった労働組合からは「給料を上げろ」と賃上げの要求をされる。政治家からは有権者からの要望で採算度外視で「新しい航路」の開設を求められる。だから利益なんか出さない方がいい。これがJALの理屈だったそうで、だから倒産かも知れないと騒がれていた時期でも予算を使いきる為に余分なものまで買っていたような会社だったそうです。稲盛さんが現場に行き直接JALの社員に話を聞くと社員は悪くない、悪いのはJALの社風だと分かったそうです。
稲盛さんの代名詞のようになっている経営手法の「アメーバ経営」と、会社の判断基準等を記した「フィロソフィ」だけで再建するんだという強い思いから、いろんなコンサル会社の売り込みを断ったそうです。アメーバ経営は事業をやられている方なら一度は耳にした事があるかと思いますが、興味のある方はまた検索してみて下さい。
私が一番興味深かったのは「JALフィロソフィ」といわれる京セラでも実践されていたフィロソフィ、直訳すると「哲学」になりますが、立場や肩書は関係なしに社員全員で共有する『JAL魂』みたいなものを作り意識改革を図った事です。実際には子供の頃に親や学校の先生に教わった「道徳」に近いものと言われていますが、会社の判断基準や考え方を記したものを誰でも分かるように用語として使い、JALフィソロフィを根付かせていきました。
実はこれがJALを生まれ変わらせ、業績をV字回復させた根幹・土台となる、めちゃくちゃ凄い意識改革なんです!!やっぱり企業は人なんですね。
稲盛さんであっても、最初は元々の幹部や社員に相手にされなかったそうです。無理だよ・・・と。まずはリーダー作りだと約50人のリーダーを育成し、現場に直接出向き社員一人一人と語り、共に再建するんだと熱く伝え続けたそうです。あの稲盛さんがヘルメットかぶって直接現場に行って話すんですよ。社員は感動し、そのひたむきさにファンになり、その真剣な姿に段々会社が変わっていったそうです。JAL再建は「JALの奇跡」ともいわれていますが、再建のメンバーには現スシローの水留社長も副社長として参加していたそうです。稲盛さんに何回も怒られたそうですが、自分の意見を言い続けたそうです。その大物同士が真剣にガチンコするシーンは凄く興味がありますよね・・・(笑)

あの巨大企業の社員全員がお客様や世の中に対して「少しでもJALを好きになって頂こう」と徐々に意識が変わっていくんです。役員・パイロット・CA・グランドスタッフ・整備に始まり、その他空港で働く人々全てが素朴に「少しでもJALを好きになって頂こう」と本当に一致団結して動き出すんです。
インターネットのどこかで見ましたが、そのフィロソフィの効果は東日本大震災の際にお客様から大きな感謝という形で返って来たそうです。機内に長時間閉じ込められたお客様に炊き立てのおにぎりを作り提供したCA。被災地に向かう日本赤十字の救援スタッフたちに、心温まる慰労のアナウンスを行ない機内に感動の渦をもたらした機長。被災地に向かう救護スタッフの荷物を預かり、さり気なく労(ねぎら)いと励ましのメモをしのばせたCA。CAの中には計画停電で電車が止まったり混乱する中で機転を利かし、神戸に帰る初老のお母さんを茨城空港からつくば→成田空港→伊丹空港と無事に送り届けた方までいたそうです。途中、要所要所で子供たちに報告を入れてくれたり、横入りする人に毅然と注意してくれたりもしたそうです。全て「少しでもJALを好きになって頂こう」という精神から自主的にですよね。その後に感謝のお便りが届いたそうですが、稲盛さんもたくさんのお便りを頂き感動に包まれたそうです。『そんな感動を呼び起こす社員たちの行動の源泉に「フィロソフィ」があると再認識をしました』とありました。
結びにJALのロゴは、稲盛さんの鶴の一声で『鶴丸』に変更になったそうです\(^o^)/
もうしばらくこんな経営者は出ないでしょうね。人間味のある凄い経営者でした。我々に「一番大事なのは感謝する気持ち」と教えて頂き本当にありがとうございました。
稲盛和夫さんに謹んでお悔やみを申し上げます。今月は以上です。

朝晩少し過ごしやすくなりましたね、季節の変わり目ですからお身体ご自愛下さい。

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