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2021/11/10

縁(えん)ちゃんのひとり言~お陰様で10周年を迎える事が出来ました、感謝致します~(10周年感謝の号)

お便り

皆さん、こんにちは『縁ちゃん』ことメテックス建築事務所 遠藤です。

近年各所で起こった自然災害で被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。 

実は皆様、先日の11/4をもちまして弊社は10周年を迎えることが出来ました。これもひとえにお客様、皆様のご支援とご指導、また業者様、スタッフ等のご協力の賜物だと心より感謝しております。10年間ありがとうございました、またこれからも変わらぬお力添えを賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

思い起こせば10年前に右も左も分からず個人事業者から法人なりをして株式会社メテックス建築事務所を設立致しました。10年前は、そうあの東日本大震災の2011年でした。震災の前の年に建築士の資格を取得し、私は建築士としてあの地震を経験致しました。

地震の前日に東京のビッグサイトで行われた展示会に知人と参加していて、その夜に東京に一泊し、その翌日の帰り道で被災しました。日本橋に「メゾンカイザー」という凄い人気のパン屋がありますが、当時出始めでちょっとお土産にフランスパンでも・・・と買って帰る途中、銀座の数寄屋橋交差点辺りで信号待ちをしている時にでした。ちょっと前にアルマーニの制服で有名になった「泰明(たいめい)小学校」の近くです。「遠藤さん、地震だよ・・・」「何言ってんだ、風だろ・・・」なんて車中でやり取りをしていると、蜘蛛(くも)の子を散らしたようにビルから人が出てきて、その泰明小学校のグラウンドに駆け込んで行った事を思い出します。車から降りて周辺を見ると帝国ホテルの高層タワーがゆっくりとゆっくりと何ともいえない気持ちの悪い動きで揺れていました(;一_一)

辺りがパニック状態になったのは安易に想像出来ると思いますが、まるで映画のワンシーンのようでした。

車中のナビゲーションのTVではお台場のビルから出火してる様子が映し出され、間もなくあの津波の映像を見る事になります。私も東京でしばらく身動きが取れずに往生してしまいましたから、帰宅難民も目の当たりにしました。ノロノロ運転で走る246号線沿いではタイルの外壁が落ちてきたり本当に怖かったです。

とにかく東京は揺れました。もしあの地震が阪神大震災のようなビルが裂けるような直下型だったら・・・と考えると、ビルの谷間で往生していた事にいま改めてゾッとします。

そんな経験をしたからでしょうか、その日から何かしないとという気持ちが日に日に強くなっていきました。

地震の1ヶ月後の4〜5月辺りに、建築士を対象に東京海上日動火災保険さんから地震保険の認定員をやって頂けないか?と依頼がありました。地震でめちゃくちゃになっている家に行き、保険金を支払う為の地震での被害を認定をするだけの仕事でした。保険会社としたら地震保険の支払いをする業務において全く手が足りず、猫の手も借りたいという状況だったと思います。

東京の大森にあるビルに研修にも行きました。そこでは、「お客様の心情を考え、厳しい事は一切言わなくていいです」と言われ、被災者に「地震でテレビが壊れた」「地震で家具が壊れた」と言われたら「ハイハイ、地震で壊れましたね」と全てを認めて一切詮索しないで下さい!といった感じでした。保険会社としたら精一杯の誠意なのかなとも感じました。

私は北関東(茨城県辺り)に出張で確か日当を3万円/日くれると言われたと思います。

そんな仕事で日当3万円??建築士になるとこんな仕事が舞い込んでくるのかぁ〜、建築士の資格を取って良かった!って思いました(笑)

「遠藤さんは何日間ご協力頂けますか?」と言われ「少し回答を待って下さい」と言いました。正直いろいろ考えましたし、スケジュールの調整もしようと思いました。しかし少しながらの違和感も感じていました。「これ俺がやる仕事かなぁ〜」と。

失礼な言い方かも知れませんが、「こんな仕事はデスクワークしか出来ない、そういうのが好きな建築士がやればいい」と思いました。事実、当時私の周りにある建築士関係の会で宮城県の女川町に視察に行く、日当5万円もらえるんだ!と喜んでいた一級建築士がいましたから・・・。正直アホかと思いました。こういう事を言っちゃうから嫌われるんですね(笑)

被災地の視察は私ももちろん興味がありました。しかし、せっかくのお話でしたが結局この話はお断りの回答をさせて頂きました。

その約半月後に所属している組合から、福島県田村市での仮設住宅の復興ボランティアのお話を頂きました。すぐに「これだっ!」と思いました。

仮設住宅は我々建設職人にしか造れませんし、私も現場上がりの職人の端くれですから強い正義感を持って志願させて頂きました。

仮設住宅の建設は公共事業になり、大手ゼネコンが元請で仕切っていました。ボランティアといっても実際には日当と、福島県までの往復の交通費を後日みて頂きました。

約1週間の作業でしたが、これがなかなかの激務でして・・・(笑)         

田村市にはホテルが充分にありませんから大きい街の郡山市にホテルを用意して頂きました。現場は7:50集合でラジオ体操と朝礼、17:00までの予定でしたが「こんな時ですから・・・」と19:00までお願いされました。我々の静岡に例えますと、静岡市内にホテルを取って頂き現場は御殿場市です。高速道路は罹災(りさい)証明で無料でお使いください、といった感じです。現場の駐車場も距離があり、朝5:30に起きて、朝食を取って6:30までにホテルを出ないとラジオ体操に間に合いません。作業が19:00までなのでホテルに戻ると21:00過ぎているのがほとんどでした。

初めの3日間は志(こころざし)高く真面目にやっていたのですが、4日目位から段々身体もキツくなりちょっとずつサボるようになりました。道具を取りに行くと言って車で休んでいたり、文句を言ったり、正直モチベーションは下がりまくりでした。

明日で最終日という日の昼食時に、現場で知り合った群馬県のみなかみ町から来ていた65歳位でしょうか、大先輩の大工さん達に「最後の夜だから、今夜一杯やらないか?」と誘って頂きました。ホテルに戻って、軽くシャワーを浴び、21:30頃みんなで近所の回転寿司に行きました。そこでいろんな話をしました。その会話の中で一級建築士の資格を持つ原さんという大工さんから「遠藤君、暑い中キツかったろう~(笑)」と言われました。「ハイ、こんなに大変だと思いませんでした、もう辟易(へきえき)です(笑)」と答えました。そしたらその原さんが笑って「俺達もこの歳だからキツいさっ!でもな遠藤君、同じ日本に住む同じ日本人がこんな辛い目に遭って、こんなに大変な思いをしているんだぜ。こういうのはお国の為だと思って一生懸命やらないと駄目なんだよ・・・」と言われました。確かに原さん達は一生懸命でした。原さんも重い話やお説教という気など全くなく、何気ないひと言だったと思います。さっきまでいいご機嫌で呑んでいたのに、そのひと言で一気に酔いが醒めたのを思い出します。強い正義感で来たいたはずなのに、サボっていた自分に「俺何の為にここに来たんだろう~?」って。

最終日が午前中で終わり、その後にいわき市の塩屋岬に行ってきました。美空ひばりさんの「みだれ髪」の歌碑がある事で有名ですよね。そこの灯台周りは津波被害が甚大で、津波10mの被害を視察させて頂きました。建物は大体1階を3mと計算しますが、海から3m位上に建っている2階建ての建物の屋根が壊れ、3階建ての外壁に海水で汚れた跡が残っていました。現地で計算すると10mは嘘じゃないなっ!!とそれを想像しただけで身震いがしました。めちゃくちゃに壊れたその悲惨な光景は今でも脳裏に焼き付いています。

静岡に帰ってからは反省と原さんの教えから何か悶々(もんもん)とする日々を過ごしたというか、ずっと悩んでいました。「いま俺に出来る事はないか?こんな俺でも建設業界に貢献できる事はないか?」と。3ヶ月位悩み続けました。先輩経営者に発破をかけられた事もあり、どうせやるならこの地震の年2011年にやろうと決意しました。たぶん3/11を迎える度にTVではあの津波の映像を流し、あれから〇〇年経ちましたとやるだろうと。その映像を見る度に私は初心に戻れると思いました。これから苦しい時もあるだろうけど、あの地震で家族を亡くし、住む家を無くした同じ日本人より苦しい事はないだろうと、2011年の11/4に会社を設立致しました。

そして10周年を迎える事が出来ました。

最初の5年間は食えないし正直甘かったなと痛感しましたし、苦しかったですね。一難去ってまた一難って感じで、いついい時が来るんだろうと思っていました。結局いい時は訪れず、まだまだ苦労の連続です(笑)

当時、相談にのって頂いた先輩や取引銀行、設立時にお祝いを頂いた業者様、従業員、そして心配をかけっぱなしの両親にご挨拶に行ってきました。親しき中にも何とか・・・っていいますから、皆さんにちゃんとお礼を言いました(^^;

今でも面倒をかけている先輩には、「そうかぁ10年かぁ、早いな!今日来てくれた事が凄く嬉しいよ、今日一杯行くか?」と食事に誘って頂いたり、お花を贈って頂いたり、バカでかいケーキを頂いたり(*^-^*)、SNSでもたくさんのお祝いのメッセージを頂きました。普段フェイスブック等はやらないのですが、たまたま先輩に誘われた食事風景をアップしたらメッセージ頂きました、凄く嬉しいですね。

11年目からのテーマは、改めて設立時の「初心忘るべからず」「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)*目標達成の為に努力を重ねる事です。

当時悩んだ末に、強い正義感で設立した会社です。決意新たに頑張っていきますので、皆様これからも宜しくお願い申し上げます。

今月はここまでです。季節の変わり目です、皆さんお身体ご自愛下さい。

最後にお得な情報をひとつ・・・

もう恒例になりましたが、弊社は毎年ご成約頂いたお客様と安曇野にりんご狩りに行きます。今月は毎年大好評の『安曇野のりんご』を10周年にちなんで10名の方にプレゼント致します。

また今月に限り10周年の特別企画と致しまして、コロナでダメージを受けた観光業の支援も含め、私に会社設立のきっかけを与えて下さった福島県にペアで2泊3日旅行(旅行券3万円分)を1組様にプレゼントさせて頂きます。これは今回だけです・・・(笑)

数年前に見に行ったら、当時の仮設住宅にはもう誰も住んでいませんでしたが、まだ建物は全部残っていました。有名な「三春の滝桜」の近くなので桜の時期がオススメです、良かったら一緒に是非見てきて下さい。ふるってご応募下さいヽ(^。^)ノ

事務所へ直接お電話かホームページのお問合せフォームに住所、氏名、TEL番号、メールアドレスを記載し『安曇野のりんご』若しくは『福島県2泊3日旅行』と記載してお申し込み下さい。ご応募の締め切りは、毎月25日です。電話054-288-0033

会社でブログをアップしています。コメントとか頂けると嬉しいです(^^)/

eしずおかブログ http://metecs.eshizuoka.jp/

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